子供のいない夫婦の相続で起こる問題とは?遺言書が必要な理由
こんにちは。
行政書士の安居院(あぐい)です。
今日はお天気も良く、暖かい一日ですね。
桜で有名な秦野では、水無川沿いの桜が満開で、たくさんの方がお花見を楽しまれていました。
そんな穏やかな日だからこそ、少しだけ「将来の安心」について考えてみませんか。
他人事ではない「相続の壁」
今日は、私が以前、相続手続きの相談員をしていた頃に実際に出会った、ある奥様のお話をさせていただきます。
お子様がいらっしゃらないご夫婦にとって、決して他人事ではないお話です。
「当然、自分がすべて相続すると思っていました」
その奥様は、長年連れ添ったご主人を亡くされ、相続手続きのご相談に来られました。
ご夫婦にお子様はおらず、長年二人三脚で生活してこられました。
残された財産は
・ご夫婦でコツコツと貯めた預貯金
・二人で暮らしてきた大切なマンション
奥様はこうおっしゃいました。
「夫の財産は、当然すべて妻である自分が相続するものだと思っていました」
そのお気持ちは、本当に自然なことだと思います。
明らかになった「想定外の相続人」
しかし、ご主人は遺言書を残されていませんでした。
相続人調査を進めたところ、
ご主人には2人のご兄弟がいらっしゃることが判明しました。
「会ったことのない相続人がいる場合の進め方」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 相続人が多い・会ったこともない相続人がいた!疎遠な親族がいる場合の相続手続き
結婚後はほとんどお付き合いもなく、
奥様にとっては顔もよく知らない方々です。
それでも法律上は、
配偶者 + 亡くなった方の兄弟姉妹
が相続人となります。
この事実をお伝えしたときの、奥様の戸惑いの表情が今でも忘れられません。
「どうして、一度も会ったことがない人に渡さないといけないんですか…?」
「権利」という現実
ご兄弟へご連絡を差し上げたところ、返ってきたのは厳しいお返事でした。
「法律で決まっている権利があるなら、きちんと受け取りたい」
決して珍しい話ではありません。
むしろ、法律が関わる以上、とても現実的な対応です。
当事者間で話し合いが行われましたが、状況は変わらず――
最終的に奥様は、
老後のための大切な預貯金を取り崩し、
法定相続分を支払うことで、ようやくマンションを守ることができました。
たった一枚の遺言書で防げた未来
もし、ご主人が
「すべての財産を妻に相続させる」
という遺言書を残していたら、結果は全く違っていました。
なぜなら、
👉 兄弟姉妹には「遺留分」がないため
「遺留分(最低限の取り分)」について詳しく知りたい方は、こちらで解説しています。
▶ 遺言を書くなら知っておきたい「遺留分」とは?基本とトラブル回避のポイント
👉 遺言があれば、すべて配偶者に渡すことが可能
だからです。
つまり――
たった一枚の遺言書で、奥様の生活も安心も守れたのです。
こんな方は特にご注意ください
・お子様がいらっしゃらないご夫婦
・ご主人(奥様)のご兄弟とあまり交流がない方
・親族関係が疎遠になっている方
・ご自宅を必ず守りたいとお考えの方
ひとつでも当てはまる場合は、
今回のお話のようなケースが起こる可能性があります。
最後に:愛する人への“最後の思いやり”
「うちは財産も多くないし、大丈夫」
「家族仲も悪くないし、問題ないはず」
そう思われる方も多いと思います。
ですが相続は、
感情ではなく、法律で進んでしまうものです。
だからこそ、
お子様がいらっしゃらないご夫婦で
「すべてを配偶者に遺したい」とお考えの方は、
👉 必ず「遺言書」という形で残しておくこと
これが何より大切です。
あなたの想いを、確実に届けるために
遺言書は、単なる手続きではありません。
それは――
大切な人の未来を守る、最後の贈り物です。
「書いた方がいいのは分かるけど、不安で…」
そんな時は、一人で悩まなくて大丈夫です。
▶ 行政書士あぐいまき事務所
あなたの想いを、きちんと形にするお手伝いをいたします。

