なぜ実家相続は揉める?不動産しかない家庭で起きやすい争族

「うちは分けるほどのお金なんてないから、遺産分割協議なんて揉めるはずがない」
そう思っていませんか?

実は、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割の相談で最も多いのは、資産5,000万円以下の「ごく普通の家庭」です。その大きな理由は、『不動産はきれいに分けられない』という問題にあります。


1. なぜ「不動産だけ」だと揉めるのか

現金であれば1円単位で分けられますが、家はそうはいきません。
よくあるトラブルの例として、こんなケースがあります。

①共有名義にすると「売れない家」になることも 

兄弟で共有にした場合、先に兄が亡くなりその配偶者や子ども達にも共有持分が移り、最終的に“誰が所有者かわからない家”になってしまうケースもあります。

将来売却する際には全員の同意が必要になり、売りたくても売れない「塩漬け物件」になるリスクがあります。

また、空き家なのに固定資産税だけを払い続け、10年以上売れないケースもあります。

②住む人とお金が欲しい人の対立

「長男が住み続けたい」けれど「次男は現金で相続分が欲しい」となると、どちらかが我慢するか、家を売って現金化するしかありません。思い出の詰まった家が、争いの種になってしまうのです。


2. トラブルを防ぐための「3つの選択肢」

揉めないためには、あらかじめ家族でどの方向性にするか話しておくことが大切です。

方法メリットデメリット
換価分割家を売却して現金で公平に分けられる思い出の家を手放すことになる
代償分割思い出の家を残せる継ぐ人の金銭的負担が大きい
遺言書での指定親の意思が明確作成していなければ効力なし

それぞれ一長一短があります。家族の性格や事情によって、最適な方法は変わります。

「換価分割」が向いているケース

  • すべて現金化して、公平に分けたい
  • 誰も住む予定がない

「代償分割」が向いているケース 

代償分割とは、「家を相続した人が、他の相続人へお金を支払う方法」です。

  • 長男が実家に住み続けたい
  • 預貯金がある程度ある
  • 他の相続人も納得している

「遺言書で指定」が向いているケース

  • 家を売却して欲しくないなど意思を明確にしておきたい

実際のご相談で、受遺者が亡くなるまで、「売らない」という条件を付けた遺言書を遺された方もいらっしゃいました。
受遺者の方は、約束を守り、賃貸し、収益を得ています。

不動産の具体的な分け方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
相続不動産をどう分ける?3つの選択肢と後悔しない選び方


3. 「普通の家庭」だからこそ早めの準備を

「お金がないから大丈夫」ではなく、「不動産しかないからこそ、事前の準備が必要」です。

  • 家族で希望を話す
  • 相続の簡単なチェックリストを作る
  • エンディングノートや遺言書の作成を検討する

小さくても行動することが、将来の大きな揉め事を防ぎます。

エンディングノートは買ったけれど、うまく書けないという方は、
エンディングノートが書けない人へ|“一言”で家族の負担を減らす終活」のブログもご参照ください。


4. まとめ:早めの準備が「家族の縁」を守る

残された家族が、思い出の詰まった実家のことで仲違いするのは悲しいことです。
大切なのは、「お金がないから大丈夫」と思わず、家族で話し合い、方向性を決めること
まずはエンディングノートを書くことから始めてみませんか?
小さな準備が、未来の家族の安心につながります。

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