子供のいない夫婦の相続で起こる現実とは|専門家の私がゾッとした理由

こんにちは。行政書士の安居院(あぐい)です。

日々、お客様の相続手続きをお手伝いしている私ですが、先日、ある案件の戸籍を精査していた時に、ふと手が止まりました。

「……待って。これ、私に何かあった時と全く同じ状況じゃない?」

そう気づいた瞬間、プロである私ですら、自分の将来に少しゾッとしてしまったのです。


「子どもがいない」からこそ増える、膨大な書類

私は、夫はいますが子どもがいません。
もし私がいま亡くなったとしたら、相続人は「夫」と、大阪に住む「兄」になる予定です。

「身内だけだし、そんなに難しくないでしょ?」
そう思われるかもしれません。

でも、その“証明”のために集めなければならない戸籍の量は、気が遠くなるほど膨大なのです。


なぜ、親の「一生分」の戸籍が必要なのか?

まず、私の「おおよそ出生から死亡まで」の連続した戸籍が必要です。
これで「子どもがいないこと」を証明します。

※「おおよそ出生から死亡まで」と表現しているのは、必ずしも“出生時点”から必要になるとは限らないためです。
実務上は、一般的に「13歳前後以降の戸籍」を確認することが多く、これは“子どもを持つ可能性がある年齢以降”を基準にしているためです。

次に、相続権は第2順位である「両親や祖父母(直系尊属)」に移ります。

ここで多くの方が驚かれるのですが、
両親については「亡くなっていることがわかる戸籍」だけでは足りません。

両親それぞれの「おおよそ出生から死亡まで」の連続した戸籍

これが必要になります。

なぜなら、父や母に「他に子ども(異母兄弟・異父兄弟など)」がいないことを確定させないと、
誰が本当の相続人(兄弟姉妹)なのかを法的に証明できないからです。

さらに、不動産の名義変更(相続登記)などでは、祖父母が亡くなっている証明も必要になります。


もし、兄弟が先に亡くなっていたら…

もし兄弟が先に亡くなっていれば、その子ども(甥・姪)が相続人になります。

そうなると、その亡くなった兄弟の
「おおよそ出生から死亡まで」の戸籍も追加で必要になります。

これらをすべて揃えるには、

・複数の自治体にまたがる戸籍の取り寄せ
・古い手書き戸籍の読み解き
・場合によっては数ヶ月の時間

がかかることもあります。


夫に、この苦労を背負わせたくない

実務に慣れている私でさえ「これは大変だ…」と身構える手続きです。

もし私が何も準備せずに旅立ったら、
残された夫が、悲しみの中でこの膨大な手続きを一人で行うことになります。

「仲が良いから大丈夫」
「家族だから揉めない」

そう思っていても、

“手続きの大変さ”は別問題です。

ここに、見落とされがちな大きな負担があります。


私が「遺言書」を書く理由

私が「遺言書」を書く理由

この「ゾッとした」経験を経て、私は改めて決意しました。

「大切な家族のために、遺言書を書こう」

と。

特に、公正証書遺言が一通あるだけで、

・戸籍収集の負担が大幅に軽減される
・手続きがスムーズに進む
・残された家族の精神的負担も減る

という大きなメリットがあります。

そして最近では、
「自筆証書遺言書保管制度」という選択肢もあります。

これは、自分で書いた遺言書を法務局で保管してもらえる制度で、

・紛失や改ざんのリスクを防げる
・家庭裁判所の検認が不要になる

といったメリットがあります。

自筆証書遺言書保管制度について詳しくはこちら

「公正証書は少しハードルが高い…」という方でも、
より始めやすい方法として注目されています。


「遺言書」は、最後の思いやり

遺言書は、単に財産を分けるためのものではありません。

残された人が、手続きで困らないための準備。

言い換えれば、

「最後にできる、いちばん大きな思いやり」

だと、プロとして、そして一人の妻として強く感じています。


同じ不安を感じている方へ

・子どもがいないご夫婦
・兄弟姉妹が相続人になる可能性がある方
・将来、配偶者に負担をかけたくない方

もし少しでも不安を感じたら、
それはとても自然で大切な気づきです。

秦野の街で、同じようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にお話しをお聞かせください。

行政書士あぐいまき事務所

一緒に、家族への「優しさ」を形にしていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です