兄弟姉妹が相続人になると戸籍収集が大変な理由|相続人9人の実例で解説

こんにちは。行政書士の安居院(あぐい)です。

今回は、私が実際に関わった相続手続きの中から、
「兄弟姉妹が相続人となるケース」についてお話しします。


■ 兄弟姉妹が相続人となるケースとは

被相続人は、独身でお子さまのいらっしゃらない女性の方でした。
生前に「甥にすべてを相続させる」という公正証書遺言を残されており、
その甥の方が遺言執行者でもありました。

このような場合でも、相続人の調査は必要になります。
今回のケースでは、相続人は兄弟姉妹および甥姪にあたる方々でした。

兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言の内容で揉める心配はありませんでしたが、
別の大きなハードルがありました。

それが、「戸籍の収集」です。

➡「戸籍収集の基本については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。」


■ 戸籍収集が大変になる理由

今回の被相続人には兄弟姉妹が5人おり、
さらにお父様が再婚されていたため異母兄弟が存在し、
養子縁組されている方もいらっしゃいました。

その結果、最終的に相続人は9人に。

➡「会ったことのない相続人がいるケースについては、こちらも参考にしてください。」

この「相続人を確定する」という作業のためには、
被相続人の出生から死亡までの戸籍、
そして兄弟姉妹の関係が分かる戸籍を、すべてたどっていく必要があります。


■ 戸籍収集の具体的な方法と手間

各市区町村に戸籍の請求を行い、
請求書、公正証書遺言のコピー、本人確認書類、
さらに手元にある戸籍のコピーを添付し、
郵便局で購入する小為替と返信用封筒を同封して送ります。

この作業を、関係するすべての役所に対して繰り返していくのです。


■ 実際にやってみて感じた負担

今回、遺言執行者である甥の方は、
ご自身で戸籍収集を進めていらっしゃいました。

ただ、途中で断念されました。

理由はシンプルで、
「想像以上に時間と手間がかかる」ということ。

今回のように兄弟姉妹が相続人となるケースでは、
戸籍調査に数か月かかることも珍しくありません。


■ 相続税申告との関係

一方で、相続税の申告期限は「10か月以内」です。

今回のケースでは財産額も大きく、
相続税の申告が必要な事案でした。

基礎控除は
3,000万円+相続人の人数×600万円
で計算されるため、相続人が9人であれば
8,400万円の控除が受けられることになります。

相続人が多いことは、この点ではメリットになる一方で、
その分、調査や手続きの負担は大きくなります。


■ 無理せず専門家に相談するという選択

「自分でやってみたい」と思うお気持ちは、とても大切です。
実際にやってみることで見えることも、たくさんあります。

ただ、期限がある手続きについては、
無理をせず専門家に相談することも一つの選択です。

最初からすべてを任せるのではなく、
「どこまで自分でやるか」「どこから任せるか」を決める。

そんな進め方も、安心して手続きを進める方法のひとつだと思います。


相続は、ご家庭ごとに状況が大きく異なります。
「うちはどうなんだろう」と思われた方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

行政書士あぐいまき事務所

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