戸籍謄本・全部事項証明書・除籍謄本・改製原戸籍の違いとは?戸籍を何通も集める理由を解説

戸籍を取ってきたのに、『除籍謄本も必要です』『改製原戸籍も必要です』と言われて困ったことはありませんか?

「全部事項証明書?改製原戸籍?除籍謄本?種類が多すぎて意味がわからない!」

「生まれも育ちもずっと同じ場所なのに、なぜ何通も戸籍を集める必要があるの?」

初めて相続手続きをする方の多くが、このような疑問を抱きます。

実際に出生から死亡まで戸籍を集めると何通くらいになるのか、実例を交えて紹介しています。
「戸籍は1通では足りない?出生から死亡までの戸籍が必要な理由」

戸籍は、私たちが生まれてから亡くなるまでの親族関係を記録した公的な記録です。
相続手続きでは、その方の家族関係を正確に確認するために戸籍を集める必要があります。

今回は、自分で戸籍を集めようとしている方が最初にぶつかる「3つのなぜ?」について、できるだけわかりやすく解説します。


なぜ「戸籍謄本」ではなく「全部事項証明書」と呼ぶの?

答え:中身はほぼ同じ。戸籍が紙からコンピューター管理になったからです

昔からよく耳にする「戸籍謄本」。

しかし現在、市区町村の窓口では「全部事項証明書」という名称で発行されることがほとんどです。

「戸籍謄本と全部事項証明書は別の書類なの?」
と思う方も多いのですが、役割はほぼ同じです。

  • 全部事項証明書(旧:戸籍謄本)
    • 戸籍に記載されている全員の情報を証明するもの
  • 個人事項証明書(旧:戸籍抄本)
    • 特定の人だけの情報を証明するもの

昔は紙の戸籍を書き写したものを交付していたため「謄本」と呼ばれていました。

現在は多くの自治体で戸籍がコンピューター化されているため、「記載されている事項を証明する書類」という意味で「全部事項証明書」という名称になっています。

戸籍にはどのような情報が記載されているのか知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
戸籍謄本に兄弟姉妹が載っていないのはなぜ?相続で確認する方法をわかりやすく解説


なぜ戸籍は1通だけではダメなの?

答え:現在の戸籍だけでは過去の家族関係がわからないからです

相続では、亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍を集める必要があります。

「最後の戸籍を見れば家族がわかるのでは?」
と思うかもしれません。

しかし、戸籍には大きな落とし穴があります。

実は戸籍は、法改正やコンピューター化などにより、何度も新しい様式へ作り替えられてきました。

これを「改製」といいます。

そして、新しい戸籍が作られる際には、その時点ですでに戸籍から抜けていた人の情報が引き継がれないことがあります。

例えば、

  • 改製前に結婚して戸籍を抜けた子ども
  • 改製前に亡くなった子ども
  • 改製前に養子縁組をした人

などです。

つまり、最新の全部事項証明書だけを見ても、過去の家族関係がすべてわかるわけではありません。

そのため相続では、戸籍をさかのぼって確認し、
「本当に相続人はこの人たちだけなのか」
を確認する必要があるのです。


改製原戸籍とは?

答え:戸籍が作り替えられる前の古い戸籍です

法改正やコンピューター化によって戸籍が新しく作り替えられた際、以前の戸籍は「改製原戸籍」として保存されます。

相続では、この改製原戸籍が重要になることがあります。

なぜなら、現在の戸籍には載っていない過去の家族関係が記載されていることがあるからです。

古い戸籍を見ることで、

  • 前婚の子どもがいる
  • 認知した子どもがいる
  • 養子縁組をしている

といった事実が判明することもあります。

「父の戸籍を取ったら兄が載っていないのはなぜ?」という疑問については、こちらの記事で詳しく解説しています。
父の戸籍を取ったら兄が載っていない!?その理由を実際の戸籍で解説


除籍謄本とは?

答え:戸籍にいた全員がいなくなった戸籍です

「除籍」という言葉には、実は2つの意味があります。

まず、戸籍に載っている人が

  • 結婚
  • 死亡
  • 養子縁組

などによって戸籍から抜けることを「除籍」といいます。

さらに、その戸籍にいた全員がいなくなり、戸籍が空になった状態を「除籍簿」といい、その写しが「除籍謄本」です。

相続では、亡くなった方の過去の戸籍をたどる際に、この除籍謄本を取得することがよくあります。


筆頭者の名前が残っているのはなぜ?

戸籍を読んでいると、
亡くなっているはずのお父さんの名前がまだ載っている
と驚くことがあります。

これは戸籍の筆頭者だからです。

筆頭者とは、その戸籍の先頭に記載されている人のこと。
筆頭者が亡くなっても、その戸籍の見出しとして名前は残り続けます。

そのため、
「名前が載っている=生存している」
とは限りません。

名前の横に
死亡により除籍
などの記載がないか確認することが大切です。


まとめ|戸籍集めは家族の歴史をたどる作業

ここまでの内容を整理すると、

  • 全部事項証明書=現在の戸籍
  • 改製原戸籍=作り替え前の古い戸籍
  • 除籍謄本=全員が抜けて閉じられた戸籍

という違いがあります。

相続で戸籍を集める作業は、単なる書類集めではありません。

亡くなった方がどのような家族の歴史を歩んできたのかを確認し、相続人を正確に確定するための大切な作業です。

戸籍はまるでパズルのピースのようなもの。

現在の戸籍だけでは見えない部分を、改製原戸籍や除籍謄本を集めながらつなぎ合わせていくことで、はじめて一つの家族の歴史が見えてきます。


戸籍の収集でお困りの方へ

「本当にこれで全部集まったのかわからない」
「古い戸籍が読めない」
「どこまでさかのぼればよいのか不安」

そのようなお悩みは少なくありません。

戸籍の収集は、相続人を確定するための重要な第一歩です。

不安な場合は、専門家へ相談することでスムーズに手続きを進めることができます。

当事務所では、相続手続きに必要な戸籍の収集や確認のお手伝いも行っています。
お困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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