相続放棄の3ヶ月はいつから?連鎖した場合の期限をわかりやすく解説
こんにちは。行政書士の安居院(あぐい)です。
前回の記事では、相続放棄は「自分だけで終わるものではなく、親や兄弟へと連鎖していく」仕組みについてお話しました。
では次に、多くの方が気になるのが――
「その3ヶ月って、いつから始まるの?」
という点です。
実はここを正しく理解していないと、
気づいたときには期限が過ぎていた…ということも起こり得ます。
今回は、相続放棄の期限と、連鎖した場合の考え方をわかりやすく解説します。
相続放棄は「自分だけで終わるものではない」という点も重要です。
親や兄弟へと影響が広がる“連鎖”の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
➡ 相続放棄は自分だけで終わらない?親・兄弟に広がる連鎖と相続順位
■ 相続放棄の期限は「3ヶ月」
相続放棄は、原則として
「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」
に家庭裁判所へ申述する必要があります。
ここで重要なのは、
単に亡くなった日ではなく
「自分が相続人になったと知った時」
がスタートになるという点です。
■ 連鎖した場合、それぞれ別に3ヶ月がスタートする
相続放棄は、前回お伝えしたとおり
子 → 親 → 兄弟姉妹へと順番に移っていきます。
そしてこのときの期限は――
全員同じタイミングではありません
それぞれが
「自分が相続人になったと知った時」
から、別々に3ヶ月がスタートします。
■ 具体例で見てみましょう
たとえばこんなケースです。
・4月1日:父が亡くなる
・子どもはすぐに相続を認識
・4月中に子ども全員が相続放棄
この場合、次に相続人となるのは「親(祖父母)」です。
ここで重要なのが――
親の3ヶ月は4月1日からではないということです。
親が
・子どもが放棄したことを知り
・自分が相続人になったと認識した時
ここから新たに3ヶ月がスタートします。
■ 実務でよくある“ズレ”と注意点
ここが現場でとても多いのですが、
✔ 子どもが放棄して安心している
✔ でも親には何も伝えていない
というケースです。
そうすると、
親は「自分が相続人になったこと」を知らないまま時間が過ぎる
という状況になります。
その結果、
・突然、債権者から請求が来る
・慌てて対応することになる
ということも実際に起きています。
■ 正直な話…「知ったこっちゃない」というケースもあります
ここは少し現場のお話になります。
相続放棄が連鎖するケースでは、
「自分は放棄したから、あとは関係ない」
「次の人がどうなろうが知りません」
という方も、実は少なくありません。
もしかすると、
・連絡すると費用を負担する話になるのでは
・関わりたくない
そういったお気持ちもあるのかもしれません。
一方で、
「費用はすべて自分が負担するので、関係者全員の放棄を進めたい」
と考える方もいらっしゃいます。
どちらが正しい、という話ではありませんが、
連絡しないことで、思わぬトラブルになる可能性がある
という点は、知っておいていただきたいところです。
■ 連鎖する相続放棄で大切なこと
相続放棄を考える際には、
・誰が次の相続人になるのか
・その人が期限内に判断できる状態か
ここまで見ておくことがとても重要です。
特に、
期限は「待ってくれない」
という点は大きなポイントです。
■ 迷ったときは、まず全体像の整理を
相続放棄は、
・期限の問題
・人間関係
・手続きの正確さ
が絡み合う、意外と難しい手続きです。
「うちはどうなるの?」
「連絡した方がいいの?」
と迷われた場合は、
まずは相続関係全体を整理すること
これが何より大切です。
■ 行政書士としてできるサポート
相続放棄の申述自体は家庭裁判所の手続きになりますが、
・相続関係の整理
・戸籍収集
・全体の流れのご説明
など、初期段階でお手伝いできることがあります。
■ 最後に
相続放棄の3ヶ月は、
「亡くなった日」ではなく
「自分が相続人になったと知った時」から
スタートします。
そしてその期限は、
連鎖したそれぞれの人に、個別に発生します。
「自分は終わったから大丈夫」ではなく、
その先の流れまで少し意識しておくことで、
不要なトラブルを防ぐことができます。
相続放棄は、期限や手続きだけでなく、
ご家族全体に影響が広がることのある重要な判断です。
「うちの場合はどうなるの?」
「連絡した方がいいのか迷っている」
そんなときは、状況を整理するだけでも大きく変わります。
当事務所では、相続関係の全体像を丁寧にお伺いし、
今どのような対応が必要かをわかりやすくご説明しています。
ひとりで抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。
