任意後見と法定後見、どう違うの?「私らしい未来」を予約するコツ

こんにちは。行政書士の安居院麻紀です。
昨日は「任意後見は全員に必要なわけではないですよ」というお話をしました。

任意後見は全員に必要?「私には必要かしら」と迷った時の判断目安

今日は、「じゃあ、よく聞く『法定後見』と何が違うの?」という疑問について、お話ししたいと思います。
どちらも「誰かに支えてもらう制度」ですが、実は中身は結構違うんです。

1. 「誰が決めるか」の違い

一番大きな違いは、あなたを支える人(後見人)を「誰が決めるか」です。

  • 法定後見(判断力が落ちた後に決める)
    ご本人の判断力が低下した後に、ご家族などが家庭裁判所に申し立てをします。
    誰が担当になるかは裁判所が決めます。
    お財布を預ける人を自分では選べないので、全く知らない専門家(弁護士や司法書士、私たち行政書士など)が選ばれることも多いです。
  • 任意後見(元気なうちに自分で決める)
    まだ元気なうちに、「この人にお願いしたい!」と自分で指名して、あらかじめ契約を結んでおきます。
    信頼できるご家族や専門家を、自分の意思で選べるのが最大の安心ポイントです。

2. 「何をしてほしいか」の違い

実は、ここが任意後見の素敵なところです。

  • 法定後見は、どちらかというと「財産を減らさないように守る」ことがメイン。
    お孫さんへのお祝いや、ご自身へのちょっとした贅沢なご褒美などは、本人保護の観点から、支出に慎重な判断が求められることがあります。
  • 任意後見なら、「こうしてほしい」という願いを契約書に盛り込めます。
    「毎年、お正月に親戚が集まる費用を出してほしい」「大好きな温泉旅行には毎年連れて行ってほしい」といった、
    あなたの大切にしたい価値観をそのまま未来へつなげることができます。

任意後見と法定後見の比較表

比較ポイント任意後見(元気なうちに)法定後見(判断力が落ちた後)
誰が選ぶ?自分で自由に選べる家庭裁判所が決める
いつ決める?元気な「今」契約する判断力が低下してから申し立てる
頼める内容希望を細かく盛り込める法律で決まった範囲が中心
費用の計画契約で決めておける※裁判所が決定(一生続く)
最大のメリット自分の意思を反映できる手続きが遅れても国が守ってくれる

※任意後見の場合、ご自身で選んだ方への報酬とは別に、裁判所が決める「後見監督人」への報酬(月額1万〜3万円程度)が必ず発生します。

一言でいうと、自分でプロデュースできるのが任意後見、裁判所にお任せするのが法定後見です

3. 「見守り役」の存在

任意後見の場合、あなたが選んだ人がちゃんと仕事をしているかチェックする「後見監督人」という人が、裁判所によって必ず選ばれます。
「選んだ人に負担や責任を押し付けすぎてしまわないかしら?」と心配される方もいますが、第三者のチェックが入ることで、選ばれた側も安心して正しくお仕事ができる仕組みになっているんですよ。

「もしかしたら、私には任意後見が必要かもしれない……」と感じた方は、こちらの記事で具体的なメリットや、預金が凍結されてしまう仕組みについて詳しくお話ししています。あわせてチェックしてみてくださいね。
親の預金が凍結…? 施設入所で困る前に知っておきたい「任意後見」

4.おわりに

任意後見は、いわば「未来の自分へのオーダーメイドのお守り」です。

「もしもの時も、私らしくいたい」 「家族に余計な心配をかけたくない」
そんなお一人おひとりの優しい想いを形にするのが、私たち行政書士の役目だと思っています。

「難しいことはよく分からないけれど、こんな風に過ごしたいという希望はあるの」 そんな段階で構いません。
まずはその「想い」を、ゆっくりお聞かせくださいね。

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「ちょっと聞いてみたい」という内容でも大丈夫です。