相続で仲の良い姉妹が対立した理由とは?トラブルの原因と対策

相続でもめる原因はいくつかあります。
その中でも、私が「多い」と感じている事例があります。

ある日、お父様を亡くされたお嬢様お二人の相続手続きをお手伝いすることになりました。
お二人とも60代。初めてお会いしたとき、私は心から「素敵だな」と感じたのを覚えています。

深い悲しみの中にありながらも、お互いを思いやり、穏やかに思い出話をされる姿。
とても仲の良い、理想的なご姉妹に見えました。

ところが、

お父様の財産調査を行い、財産目録をお渡しして
「お二人でゆっくり話し合って、分け方を決めてくださいね」
とお伝えした後、事態は思わぬ方向へ進んでいきました。

次にお会いしたとき、あれほど温かかったお二人の間に、
冷たく張りつめた空気が流れていたのです。

お話を伺ううちに、その理由が見えてきました。

原因は、相続人ではない「配偶者」――
つまり、それぞれのご主人からの言葉でした。

「もっともらえるはずだ」
「損をしたら後悔するぞ」

家族を思っての助言だったのかもしれません。
ですが、その“善意”や“損得の視点”が、いつの間にか姉妹の間に深い溝を生んでしまっていたのです。

相続は、単なる「お金の分け方」ではありません。

幼い頃、どのように育ててもらったのか。
どれだけ愛情を注いでもらったのか。

家族にしかわからない、長い時間の積み重ねがあります。

その関係性を一番よく知っているのは、当事者であるご本人たちです。
そこに、当時の空気を知らない第三者が「損か得か」だけで関わってしまうと、
話は一気に複雑になり、そして悲しい方向へ進んでしまうことがあります。

相続は、亡くなった方が残してくれた、最後の大切なメッセージを受け取る場でもあります。

もし今、周囲の意見に迷っている方がいたら、
どうか一度立ち止まって、ご自身の気持ちに耳を傾けてみてください。

「お父さんは、どんな風に笑っていてほしいと思っているだろうか」
「これからも続く家族の関係を、どうしたいのか」

周りの声に流されるのではなく、
ご自身が納得できる選択を大切にしていただきたいと思います。

そして――
もしお父様が遺言を遺されていたら、
このご姉妹がこのような思いをせずに済んだかもしれません。

「相続でもめないためには、事前の対策がとても重要です。」
「遺言はすべての人に書いてほしい」再婚当事者の行政書士が、5年越しの決意で綴る理由はこちら

多くの相続の現場に立ち会ってきたからこそ、
そう願わずにはいられません。

相続について不安や疑問がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
行政書士あぐいまき事務所

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