子どもに反対されて事実婚を選んだら…相続はどうなる?

こんにちは。
行政書士の安居院(あぐい)です。

近年、50代以降で新しいパートナーと出会い、人生を共に歩まれている方も少なくありません。

しかし、中には結婚を望んでいても、さまざまな事情から籍を入れず、事実婚という形を選ばれる方もいらっしゃいます。

今回は、そんな事実婚と相続についてお話ししたいと思います。

※実際に伺った複数のご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を構成しています。

「結婚したい。でも子どもが反対している」

50代のある男性から、こんなお話を伺ったことがあります。

離婚を経験した後、新しいパートナーと出会い、お互いに支え合いながら生活していました。

本当は結婚も考えたそうです。

ところが、子どもたちから反対の声が上がりました。

「再婚するのは自由だけど、相続のことが心配だ」

「財産関係が複雑になるのではないか」

そんな不安があったようです。

男性は悩んだ末に、パートナーとの関係は続けながらも、籍は入れずに事実婚という形を選びました。

事実婚のパートナーに相続権はありません

ここで注意したいのが、相続の問題です。

長年一緒に暮らしていても、事実婚のパートナーには法律上の相続権がありません。

たとえば、自宅が男性名義だった場合。

何も準備をしていなければ、その家は法定相続人である子どもたちが相続することになります。

パートナーが当然に住み続けられるとは限りません。

「一緒に暮らしてきたのだから大丈夫」

と思っていても、法律上はそうならないケースがあるのです。

相続では、法律上の相続人が誰になるのかを正しく理解しておくことが大切です。
相続人の範囲については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

「相続人は誰になる?戸籍から確認する相続人の範囲」

パートナーに財産を残すには

事実婚のパートナーへ財産を残したい場合、遺言書が重要になります。

ただし、事実婚のパートナーは法定相続人ではありません。

そのため、子どもなどの相続人に対して使う「相続させる」という表現ではなく、

「遺贈する」

という形で財産を残すことになります。

また、遺言書を作成する際には、相続人の遺留分にも配慮することが大切です。

ご家族との関係や財産の内容によっては、遺留分を侵害しない内容にすることで、将来のトラブルを防ぎやすくなります。

事実婚のパートナーへ財産を残したい場合、遺言書は欠かせない準備の一つです。
遺言書の種類や作成時の注意点については、こちらの記事もご覧ください。

「遺言書って本当に必要?行政書士が考える遺言書の役割」

生命保険を活用するという方法も

財産を残す方法は、不動産だけではありません。

生命保険を活用し、パートナーを受取人に指定する方法もあります。

死亡保険金は、原則として受取人固有の財産となります。

そのため、

「自宅は子どもへ残したい」

「でも、パートナーが生活に困らないようにお金も残したい」

という場合には、有効な選択肢になることがあります。

本当に大切なのは「想いを伝えること」

私は、制度以上に大切なことがあると思っています。

それは、ご自身の想いを家族へ伝えておくことです。

どれほど丁寧な遺言書を作っても、

「なぜ、そのような内容にしたのか」

が伝わっていなければ、残されたご家族が戸惑うこともあります。

場合によっては、パートナーが心ない言葉をかけられてしまうこともあるかもしれません。

逆に、生前から家族へ想いを伝えていたり、遺言書の付言事項に気持ちを残していたりすることで、受け止め方が変わることもあります。

子どもへの想いもある。

パートナーへの想いもある。

そのどちらも大切だからこそ、元気なうちに話し合い、想いを言葉にして残しておくことが、円満な相続への第一歩ではないでしょうか。

まとめ

事実婚を選んだからといって、パートナーへの想いが弱いわけではありません。

むしろ、ご家族への配慮から事実婚という形を選ばれている方も多くいらっしゃいます。

だからこそ、

「自分が亡くなった後、パートナーにどう過ごしてほしいのか」

「家族に何を伝えておきたいのか」

を考え、必要な準備をしておくことが大切です。

行政書士あぐいまき事務所では、遺言書作成や相続対策のご相談を承っております。

将来に不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。

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「ちょっと聞いてみたい」という内容でも大丈夫です。

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