離婚した父が亡くなったら連絡は来る?|知らないまま相続人になっていることもあります

「相続の件でご連絡しました。」
ある日突然、見知らぬ人から届いた一通の手紙。

差出人は行政書士事務所でした。

父とは20年以上会っていません。
離婚後は母に引き取られ、その後は一度も連絡を取っていませんでした。

「もう関わることはないだろう」
そう思っていた方もいるかもしれません。

そんな父が亡くなった――。

そして、自分が相続人だということを初めて知ったのです。

実は、このような話は決して珍しくありません。

離婚した親と長年連絡を取っていない方の中には、
「父が亡くなったら誰か教えてくれるのだろうか」
「相続人なのに知らないまま終わることはないのだろうか」
と不安に感じる方もいらっしゃいます。

今回は、

・離婚した親が亡くなったら連絡は来るのか
・知らないまま相続が進むことはあるのか
・相続人にはどのような権利があるのか

について、わかりやすくお話しします。

離婚しても親子関係はなくなりません

元配偶者(あなたのお母様)には相続権はありません。

しかし、実子であるあなたには相続権があります。

これは父親が再婚しても変わりません。

長年会っていなくても、親子関係が法律上なくなるわけではないのです。

父親が亡くなったという連絡が必ず来るわけではありません

「親が亡くなったら誰かが教えてくれる」

そう思われるかもしれません。

しかし、現実には必ずしもそうとは限りません。

例えば、

・再婚相手が連絡先を知らない
・親族と疎遠になっている
・住所が変わっている
・親族が前妻の子の存在を知らない

このような事情があると、死亡の連絡が届かないこともあります。

それでも相続手続きでは存在が判明します

相続手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めます。

すると、

・前妻との婚姻
・離婚
・子どもの存在

が戸籍から判明します。

そのため、相続人調査を行えば、通常は前妻の子の存在も明らかになります。

知らないまま相続が終わることはないのでしょうか

不動産の名義変更や銀行の解約、遺産分割協議などを行うためには、原則として相続人全員の関与が必要です。

そのため、本来であれば相続人は探されることになります。

ただし、

・財産がほとんどなかった
・誰も手続きをしなかった
・相続人同士が疎遠だった

といった事情が重なると、結果として何年も知らないまま過ぎてしまうこともあります。

ある日突然、見知らぬ人から連絡が来ることも

実際には、

・父の再婚相手
・異母兄弟
・司法書士
・行政書士
・弁護士

などから突然連絡が来るケースがあります。

「相続の件でご連絡しました」
という一言から始まることも少なくありません。

相続人が相続手続きを進めている場合や、遺言執行者が弁護士や行政書士などの専門家である場合には、
相続人への連絡や手続きが適切に行われることが一般的です。

一方で、遺言執行者が家族であるケースもあります。

多くの場合は適切に手続きが行われますが、親族間の事情によっては、
相続人への連絡が十分に行われないまま話が進んでしまうケースもあります。

連絡が来たらどうすればいいのでしょうか

突然の連絡に驚いてしまう方も多いと思います。

しかし、まず大切なのは慌てないことです。

相続関係の書類が届いても、すぐに署名や押印をする必要はありません。

まずは内容を確認し、自分がどのような立場なのかを把握することが大切です。

借金が多い場合は相続放棄という選択もあります

亡くなった親に借金がある場合、相続放棄をすることができます。

相続放棄の期限は、
「自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内」
です。

そのため、父親が亡くなっていたことを何年も後になって知った場合でも、
その時点から3か月以内であれば放棄が認められる可能性があります。

相続人になった場合、何もしないと借金まで引き継ぐ可能性があります。
相続放棄をしなかった場合のリスクについてはこちらをご覧ください。
相続放棄しなかったらどうなる?知らないと怖いリスク解説

遺言書があっても終わりではありません

例えば、
「すべての財産を後妻に相続させる」
という遺言書が残されていることがあります。

この場合でも、子どもには遺留分という権利が認められる可能性があります。

ただし、遺留分には期限があります。

遺言書があればすべて解決するとは限りません。
遺留分をめぐるトラブルや対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
遺言書があっても安心できない?遺留分トラブルと対処法を解説

遺留分侵害額請求は、
相続の開始と、自分の遺留分が侵害されていることを知った時から1年以内
に行う必要があります。

さらに、相続開始から10年を経過すると権利そのものが消滅します。

実際にこんなケースもあります

私が知っているケースでは、遺言書で遺言執行者が指定されており、その方から相続人へ連絡が行われていました。

一方で、遺言執行者が親族であったため、相続人への連絡が十分に行われないまま時間が経過してしまったケースもあります。

もちろん、本来は相続人の権利を無視してよいわけではありません。

しかし、長年疎遠だった家族だからこそ、情報が届かず、気づいた時にはかなりの年月が経過していたというケースも現実には存在します。

再婚家庭の相続では、前妻の子が相続人になるケースもあります。
こちらの記事もあわせてご覧ください。
親が再婚していた場合の相続|前妻の子も相続人になる?

最後に

長年会っていない親であっても、法律上の親子関係はなくなりません。

そのため、離婚した親が亡くなった場合、知らないうちに相続人になっていることがあります。

突然届いた一通の手紙。

そこから初めて親の死や異母兄弟の存在を知る方も少なくありません。

「もう関係ないと思っていた」

その相手の相続で、自分が当事者になることもあります。

もし連絡が来た場合は、感情だけで判断せず、まずは内容を確認することが大切です。

「自分の場合はどうなるのだろう?」
「連絡が来たけれど、何から確認すればいいのだろう?」

そんな時は、一人で判断せず専門家へご相談ください。

行政書士あぐいまき事務所では、相続人調査や戸籍収集、相続手続きのご相談を承っております。

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