88歳、米寿の義父の運転免許――「家族の説得」の限界に直面して思ったこと

こんばんは。行政書士の安居院麻紀(あぐいまき)です。

気づけばもう夜。
静かな時間になりましたね。皆さんは、どんな1日を過ごされましたか?

今日は少し、我が家のリアルなお話をさせてください。


米寿を迎えた義父と、家族の不安

先日、家族みんなで88歳になる義父の「米寿(べいじゅ)」のお祝いをしました。

2年前に義母を亡くした義父ですが、頭もしっかりしていて、今も元気に過ごしています。

それは本当にありがたいこと。

けれど今、家族みんなが一番心配していることがあります。

それが――義父の「車の運転」です。


100メートル先のスーパーにも車で行く

最近、義父は足が痛むようになり、歩くことが減ってきました。

自宅から100メートルほどのスーパーへ行くにも、車を使います。

「杖を使ったら少し楽になるんじゃない?」
そう勧めても、

「まだ大丈夫だ」

と笑って受け流されてしまいます。

きっと、そこには本人なりのプライドもあるのでしょう。

その気持ちも分かるんです。

でも、家族としては、どうしても不安が消えません。

耳もかなり遠くなっていて、後ろから救急車が来ても気づかないことがあります。

もし事故を起こしてしまったら――。
もし誰かを巻き込んでしまったら――。

そう考えるたびに、胸が苦しくなります。

高齢になると、「移動手段」は生活そのものに直結します。
▶︎「おひとり様の老後で本当に困ることとは?」


家族の説得だけでは、届かない現実

私たち家族も、これまで何度も話し合ってきました。

「お願いだからタクシーを使ってほしい」
「せめて、人を車に乗せるのだけはやめてね」

そう伝えても、返ってくるのはやはり、

「大丈夫だ」

の一言。

身内の言葉だからこそ、逆に素直に聞けない――。
そんな難しさを感じています。


警察へ相談して知った「法律と権利」の壁

「もう家族だけでは限界かもしれない」

そう思い、私は警察へ相談の電話をしました。

耳が聞こえづらく、家族の説得も受け入れてもらえないこと。
次回の免許更新を止められないか――。

けれど、警察の方から返ってきたのは、とても現実的な回答でした。

「脳梗塞などの病気や、医師から『運転を控えるべき』という診断がない限り、免許は個人の権利です。警察が一方的に更新を拒否することはできません」

つまり、最終的には「家族で話し合うしかない」ということ。

もちろん、それは警察の方が冷たいわけではありません。

でも、“法律”と“現実”の間にある大きな壁を、改めて感じました。


「移動の自由」と「命の安全」の間で

私は行政書士であり、介護福祉士でもあります。

だからこそ、義父の気持ちも痛いほど分かるんです。

車を手放すということは、単に移動手段を失うだけではありません。

「自分で自由に動ける人生」を失うような感覚なのだと思います。

「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、家族だけでは支えきれない場面は少しずつ増えていきます。
▶︎「任意後見制度とは?元気なうちにできる将来への備え」

特に地方では、車は生活そのものです。

病院へ行く。
買い物へ行く。
知人に会いに行く。

その全部が、「車ありき」で成り立っている方も少なくありません。

だからこそ、免許返納は簡単な話ではないのですよね。

けれど一方で、命の安全もまた、とても重い問題です。

本人の気持ち。
家族の願い。
そして社会全体の安全。

その間で揺れ続けるこの問題に、「これが正解」という答えは、なかなか見つかりません。

車の運転や今後の暮らしについて考え始めた時、まずは“自分の想い”を整理することも大切かもしれません。
▶︎「エンディングノートが書けない方へ|一言から始める終活」


きっと、同じ悩みを抱えている方がいる

今回あらためて感じたのは、

「これは、どこの家庭でも起こりうる問題なんだ」

ということでした。

もしかしたら、このブログを読んでくださっている方の中にも、

「実はうちの親も…」
「返納の話をすると喧嘩になる…」

そんな悩みを抱えている方がいらっしゃるかもしれません。

家族だからこそ感情がぶつかってしまう。
心配しているのに、うまく伝わらない。

本当に難しい問題ですよね。


ひとりで抱え込まず、知恵を出し合えたら

もし、

「うちはこんな言葉で納得してくれた」
「こういう工夫をしたら少し前向きになった」

そんな体験談がありましたら、ぜひ教えていただけたら嬉しいです。

高齢化が進む今、この問題に悩んでいるご家族は、きっとたくさんいるはずです。

だからこそ、一人で抱え込まず、みんなで知恵を出し合いながら、少しでも優しい解決策を探していけたらと思っています。

家族だけで支えることに限界を感じる場面は、運転問題に限りません。
▶︎「死後事務委任契約という“最後のバトン”」

今夜もハラハラしながら見守っているご家族の皆さま、本当にお疲れさまです。

どうか今日は、温かい飲み物でも飲みながら、少し肩の力を抜いてお休みくださいね。

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