自筆証書遺言書保管制度の利用状況は?メリット・デメリットを行政書士が解説
遺言を書いたあと、「どこに保管すれば安心なのだろう」と悩まれる方は少なくありません。
自筆証書遺言を法務局で保管できる「自筆証書遺言書保管制度」が、令和2年7月から始まっているのをご存知でしょうか。
この制度は年々利用者が増えており、令和7年時点では利用件数も大きく伸びています。
公正証書遺言は安心感がある一方で、
- 公証役場へ行く必要がある
- 証人が必要
- 費用がかかる
など、「少しハードルが高い」と感じる方もいらっしゃいます。
公正証書遺言との違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶公正証書遺言と自筆証書遺言の違いとは?費用・リスク・必要書類まで徹底解説
そのような方にとって、自筆証書遺言書保管制度は、利用しやすい制度の一つだと感じています。
私自身も、将来的に遺言を残す際には、この制度を利用したいと考えています。
今回は、
- 自筆証書遺言
- 自筆証書遺言書保管制度
- 公正証書遺言
を比較しながら、この制度のメリット・デメリットについてお伝えします。
自筆証書遺言書保管制度とは?
自筆証書遺言書保管制度とは、自分で書いた遺言書を法務局で保管してもらえる制度です。
遺言書を法務局に預けることで、
- 紛失防止
- 改ざん防止
- 相続開始後の発見漏れ防止
などにつながります。
また、この制度を利用した遺言書は、家庭裁判所での「検認」が不要になります。
遺言を書いても、「誰がその内容を実現するのか」まで考えている方は意外と多くありません。
遺言執行者がいる場合・いない場合では、相続手続きの進み方が大きく変わることがあります。
遺言執行者の役割や、選任しておくメリット、注意点について詳しく解説しています。
▶遺言執行者とは?いる場合・いない場合の違いと手続きの注意点
自筆証書遺言書保管制度のメリット
① 費用を抑えられる
保管申請手数料は3,900円です。
公正証書遺言と比較すると、費用を抑えて遺言を残すことができます。
② 家庭裁判所での検認が不要
通常の自筆証書遺言では、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きが必要になります。
しかし、法務局の保管制度を利用している場合は検認が不要です。
相続人の負担軽減にもつながる大きなメリットだと思います。
③ 自分の意思で遺言を残しやすい
「まずは自分で遺言を書いてみたい」
そう考える方にとって、この制度は利用しやすい仕組みだと思います。
私自身がこの制度を利用したいと思う理由
私の場合、相続人は夫と兄になることが想定されています。
また、内容も、
「夫にすべて相続させたい」
という比較的シンプルなものになる予定です。
「遺言を書けば相続トラブルは防げる」と思われがちですが、内容によっては“遺留分”をめぐる争いにつながるケースもあります。
特定の相続人へ多く財産を残したい場合に注意したいポイントや、遺留分トラブルを防ぐための考え方について解説しています。
▶遺言書があっても安心できない?遺留分トラブルと対処法を解説
そのため、
- 公正証書遺言ほど大掛かりではなく
- できるだけ費用を抑えながら
- 検認不要で保管できる
という点から、自筆証書遺言書保管制度が合っていると感じています。
自筆証書遺言書保管制度のデメリット
① 書き換え時は本人が法務局へ行く必要がある
内容を変更したい場合には、本人が法務局で手続きを行う必要があります。
② 内容の有効性までは確認してもらえない
法務局では、
- 形式
- 保管
は確認されますが、遺言内容の法的な有効性まで判断してもらえるわけではありません。
そのため、内容によっては専門家への相談も大切です。
③ 原則として自筆が必要
財産目録以外は、自筆で作成する必要があります。
そのため、
- 手が不自由な方
- 病気などで筆記が難しい方
には負担となる場合があります。
ご自身に合った遺言方法を選ぶことが大切です
遺言には、
- 自筆証書遺言
- 自筆証書遺言書保管制度
- 公正証書遺言
など、さまざまな方法があります。
どの方法が合っているかは、ご家族構成や財産状況によって異なります。
「どの方法なら安心して残せるか」
それを考えることが、何より大切なのではないかと感じています。
LINEからも受け付けております。
「ちょっと聞いてみたい」という内容でも大丈夫です。

