父の戸籍を取ったら兄が載っていない!?その理由を実際の戸籍で解説

父の戸籍を取ったのに兄が載っていない!その理由を実際の戸籍で解説します

「父の戸籍を取ったのに、兄が載っていないんです。」
相続のご相談で、実際によくあるお話です。

ある日、誠さんのお父様である省吾さんが亡くなりました。

相続手続きを進めるため、誠さんは市役所でお父様の戸籍を取得しました。

ところが、その戸籍を見て誠さんは驚きます。

戸籍に載っていたのは、

・母 奈央さん

・誠さん

だけ。

誠さんには兄の真一さんがいます。

子どもの頃から一緒に育った実の兄です。

それなのに、戸籍のどこを見ても真一さんの名前が見当たりません。

「兄がいるのに、なぜ載っていないんだろう?」
「もしかして戸籍の取り方を間違えたのかな?」

もしあなたが相続手続き中なら、同じような疑問を持つかもしれません。

実は、
現在の戸籍だけを見ていると、兄弟姉妹の存在が分からなくなることがあるのです。

今回は実際の戸籍を使いながら、

  • なぜ兄が戸籍に載っていないのか
  • なぜ相続で昔の戸籍が必要なのか

を分かりやすく解説します。


昔の戸籍を見ると兄も載っていた

まずはこちらの戸籍をご覧ください。

この戸籍は、省吾さんと奈央さんが婚姻したことによって作られた戸籍です。

この時の戸籍には、

  • 夫 省吾さん
  • 妻 奈央さん
  • 長男 真一さん
  • 二男 誠さん

の4人が載っています。

つまり、この時点では真一さんも誠さんも同じ戸籍の中にいました。

一般の方がイメージする「家族の戸籍」に近い状態です。


相続のために取得した戸籍を見ると…

では、誠さんが相続手続きのために取得した戸籍を見てみましょう。

先ほどまで載っていた真一さんの名前がありません。

現在載っているのは、

  • 妻 奈央さん
  • 二男 誠さん

です。

お父様の省吾さんは亡くなっているため除籍となっています。

では、真一さんはどうなったのでしょうか。


兄は消えたわけではありません

実は真一さんは亡くなったわけでも、戸籍の記載漏れでもありません。

真一さんは結婚し、自分の戸籍を作ったため、親の戸籍から抜けていたのです。

戸籍を初めて見る方は、

「戸籍には家族全員がずっと載り続ける」

と思われることが少なくありません。

しかし実際には違います。

子どもは結婚すると親の戸籍から抜け、新しい戸籍を作ります。

そのため現在の戸籍だけを見ると、

兄弟姉妹がいること自体が分からなくなることがあるのです。

誠さんが最初に見た戸籍も、まさにその状態でした。


戸籍は家族全員の名簿ではない

戸籍は家族の歴史を記録するものですが、

家族全員が永久に載り続ける名簿ではありません。

例えば、

  • 結婚すると戸籍から抜ける
  • 養子縁組で戸籍が変わる
  • 離婚で戸籍が変わる
  • 死亡すると除籍になる

といった変化が起こります。

そのため、現在の戸籍だけを見ても、本当の家族構成が分からないことがあります。


なぜ相続では昔の戸籍まで集めるの?

相続手続きで、

「出生から死亡までの戸籍を集めてください」

と言われるのはこのためです。

もし誠さんが現在戸籍だけを見ていたら、

兄の真一さんの存在が分からなかったかもしれません。

しかし、一つ前の戸籍を見ることで、

  • 長男 真一さん
  • 二男 誠さん

の兄弟がいたことが分かります。

戸籍をさかのぼることで、初めて本当の家族関係が見えてくるのです。


まとめ 兄がいなかったのではなく、戸籍から卒業していた

誠さんのお兄さんである真一さんは、

戸籍から消えたわけではありません。

亡くなったわけでもありません。

結婚によって新しい戸籍を作り、親の戸籍から「卒業」していたのです。

戸籍を見ていると、人が突然いなくなったように見えることがあります。

しかし実際には、

結婚や死亡などによって戸籍が移り変わっているだけです。

だから相続では、現在戸籍だけで判断してはいけません。

もし、

「兄弟がいるはずなのに載っていない」

「子どもが一人しか載っていない」

という戸籍を見つけたら、一つ前の戸籍までさかのぼってみてください。

そこには、現在の戸籍だけでは見えない家族の歴史が残されています。

戸籍は“今の家族”を見るものではなく、“家族の歴史”をたどるための記録です。

相続手続きでは、戸籍の読み違いや取得漏れによって手続きが止まってしまうことがあります。

「この戸籍で相続人は確定できる?」

「次はどの戸籍を取ればいい?」

とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。戸籍の収集から相続関係の確認までサポートいたします。

LINEからも受け付けております。
「ちょっと聞いてみたい」という内容でも大丈夫です。

関連記事

▶ 相続で「出生から死亡までの戸籍」が必要と言われるのはなぜ?
相続手続きで戸籍をさかのぼって取得する理由を分かりやすく解説しています。

▶ 相続で必要な戸籍の種類とは?全部事項証明書・改製原戸籍・除籍の違い
相続手続きでよく取得する戸籍について、違いを説明しています。

▶ 相続人の確定とは?戸籍収集でつまずくポイントをわかりやすく解説
相続手続きで取得する戸籍収集でつまずくポイントを解説しています。

▶戸籍は1通では足りない?相続で出生から死亡まで8通必要になった実例
昭和12年生まれの方の実例を解説しています。