兄が先に亡くなった場合の相続|甥・姪が相続人になる「代襲相続」と3つの注意点
次男が直面する「3つの壁」
お父様が亡くなられ、葬儀や片付けが一段落した頃。
ふと現実として向き合うことになるのが「相続」の手続きです。
相続は、思っている以上に複雑になることがあります。
その代表的なケースが、
「お父様より先にお兄様が亡くなっていて、そのお兄様にお子さん(甥・姪)がいる」
という状況です。
この場合、亡くなったお兄様の相続権をそのお子さんが引き継ぐ
「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」
が発生します。
法律上は珍しいケースではありませんが、実際の手続きになると、次男の立場の方が戸惑われることがとても多いのも事実です。
今回は、相続の現場でよくある
「次男の立場の方が直面しやすい3つの壁」
について整理してみたいと思います。
① 甥・姪が「未成年」だった場合、手続きは一気に難しくなる
もしお兄様のお子さんが未成年(18歳未満)の場合、相続手続きの難易度はぐっと上がります。
兄の妻は相続人ではない
まず意外に思われるのがここです。
亡くなったお兄様の奥様は、今回の相続では相続人にはなりません。
代襲相続では、
亡くなった方の子ども(直系卑属)が権利を引き継ぐためです。
つまり相続人になるのは
- 次男
- 甥
- 姪
という形になります。
お母さんが「二人分の代理」はできない(利益相反)
未成年の甥や姪が相続人になる場合、通常はお母さん(兄の妻)が代理人として手続きを行います。
しかしここで問題になるのが利益相反です。
例えば甥と姪の二人が相続人の場合、
「どちらがどれだけ相続するか」
を決める話し合いで、
一人の親が二人分を代理することはできません。
この場合、家庭裁判所で
「特別代理人」
を選任してもらう必要があります。
未成年の場合、法定相続分を守る必要がある
もう一つ注意が必要なのが、遺産分割の内容です。
未成年の相続人がいる場合、家庭裁判所が関与すると
「法定相続分を確保する」
ことが原則になります。
つまり、大人同士の話し合いのように柔軟な分割が難しくなる場合があるのです。
② 「ずっと介護してきたのは私なのに」次男の葛藤
実務でよく聞くのが、この言葉です。
「父の面倒を見ていたのは私なのに…」
「疎遠だった甥や姪にも同じ割合で相続させるの?」
法律上は代襲相続が成立するため、
甥や姪にも相続権があります。
しかし、長年介護をしてきた次男の方にとっては
どうしても割り切れない気持ちになることもあります。
「寄与分」を主張できる可能性
もし次男の方が
- 介護を長期間行っていた
- 費用を負担していた
- 生活を支えていた
といった事情がある場合、
「寄与分(きよぶん)」
を主張できる可能性があります。
ただし寄与分は、
領収書や記録などの客観的な証拠が必要になるため、実際にはハードルが高いのが現実です。
③ 遺言があれば、状況は大きく変わることも
こうした複雑な相続の場面で、
とても大きな意味を持つのが遺言書です。
例えばお父様が
「最後まで面倒を見てくれた次男に多く残したい」
という思いを持っていた場合、遺言書で財産の分け方を指定することができます。
もちろん、甥や姪にも
法律で守られている最低限の権利である
遺留分(いりゅうぶん)
があります。
そのため、遺留分に配慮した形で財産を分けることも可能です。
遺言書があるだけで
- 遺産分割協議が不要になる
- 手続きがスムーズになる
- 親族間の感情的なトラブルを防ぎやすい
という大きなメリットがあります。
行政書士としてお手伝いできること
相続手続きは、法律だけでなく
ご家族の関係や気持ちも大きく関わってきます。
行政書士として、次のようなお手伝いが可能です。
① 相続人調査と戸籍収集
代襲相続に必要な戸籍を正確に収集します。
② 財産目録の作成
不動産や預貯金を整理し、分かりやすい財産一覧を作成します。
③ 遺産分割協議書の作成
未成年の相続人がいる場合の手続きについても丁寧にご説明します。
④ 疎遠な親族へのお手紙作成のサポート
いきなり書類を送るのではなく、まずは状況説明のお手紙を添えることで、円満な手続きを目指します。
行政書士あぐいまき事務所からのメッセージ
相続は、単なる「財産の分け方」ではありません。
お父様が守ってこられた財産を
次の世代へ、できるだけ穏やかな形でつないでいくための時間でもあります。
「親族関係が複雑で不安」
「どう進めればいいのか分からない」
そんなときは、一人で抱え込まずにご相談ください。
秦野市近郊で相続手続きにお困りの方へ。
女性行政書士として、ご家族の気持ちに寄り添いながら、手続きをサポートいたします。

