相続手続きはいつから始める?大切な人を亡くしたあと、最初に確認したいこと

こんにちは。行政書士の安居院(あぐい)です。

身近な方が亡くなられると、お葬儀の準備から始まり、四十九日法要、ご参列いただいた方やご親戚へのご挨拶など、本当にやることが次から次へと押し寄せてきます。

最近では家族葬を選ばれる方も増えていますが、後からご逝去を知った方がご自宅へお悔やみに来られることも多く、その対応だけで毎日クタクタになってしまう方も少なくありません。

お仕事をされている方だと、

「忌引きの間に全部終わらせなきゃ」
「銀行や役所へ早く行かなきゃ」

と焦ってしまうこともあると思います。

ですが、まず最初にお伝えしたいのは、

“そこまで急がなくても大丈夫ですよ”

ということです。

もちろん、悲しみと向き合うのが辛くて、あえて忙しく動いていたいという方もいらっしゃると思います。
それを無理に止める必要はありません。

ただ、「早くやらなきゃ」とご自身を追い詰めてしまっているなら、少しだけ肩の力を抜いてくださいね。

相続手続きは、正しい順番で進めれば大丈夫です。
今回は、心と体を守りながら進めるための「最初に確認したいこと」をお伝えします。

故人がエンディングノートを残されている場合には、そこに「家族への想い」や「伝えたいこと」が書かれていることもあります。少し落ち着いた頃に、ゆっくり開いてみてくださいね。

エンディングノートには、葬儀の希望やご家族への想いが書かれていることもあります。終活やエンディングノートについては、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。
エンディングノートが書けない方へ|一言から始める終活


1.まず確認したいのは「遺言書の有無」

相続手続きで、何よりも先に確認していただきたいのが、

「遺言書があるかどうか」

です。

なぜなら、遺言書があるかないかで、その後の手続きの進め方が大きく変わるからです。

遺言書がある場合

原則として、遺言書の内容に沿って相続手続きを進めていきます。

遺言書がない場合

相続人全員で話し合いを行い、「遺産分割協議」によって財産の分け方を決めることになります。

この確認をしないまま話し合いを進めてしまうと、後から遺言書が見つかり、それまでの話し合いをやり直さなければならないケースもあります。

まずは、

  • 自宅の金庫
  • 仏壇
  • 重要書類の保管場所
  • 貸金庫
  • 公証役場を利用していないか

などを確認してみましょう。

もし、これから遺言書を作成される方は、
「遺言書を書いたこと」だけでもご家族へ伝えておくことをおすすめします。

中身まで話す必要はありません。

  • 遺言書があること
  • 公正証書遺言なのか、自筆証書遺言なのか

この2点だけでも伝えておくと、残されるご家族にとって大きな安心につながります。


2.次に行うのが「戸籍の収集」

遺言書の確認と並行して進めておきたいのが、

相続人を確定するための戸籍収集

です。

銀行口座の解約や名義変更、不動産の相続登記など、多くの相続手続きでは、

「誰が相続人なのか」

を証明する戸籍が必要になります。

「なぜ出生から死亡までの戸籍が必要なの?」と疑問に感じた方は、こちらの記事も参考にしてみてください。戸籍収集の理由や注意点を詳しく解説しています。
戸籍が足りないと言われたら?出生から死亡まで必要な理由

ここで一つ、実務上よくあることをお伝えします。

死亡届を提出しても、すぐに戸籍へ反映されるわけではありません。

通常は、1週間〜10日ほどかかることが多いため、翌日に役所へ行っても、まだ取得できないケースもあります。

そのため、少し落ち着いてから動き始めても大丈夫です。

役所へ行かれる際は、窓口で次のように伝えてみてください。

「亡くなった人の相続人を確定したいので、出生から死亡までの戸籍を取得したいです」

現在は「広域交付制度」により、本籍地が遠方でも、お近くの市区町村窓口で戸籍を取得できるケースが増えています。

※一部取得できない戸籍もありますので、詳しくは窓口でご確認ください。


3.相続手続きは「全部一気に」やらなくて大丈夫です

相続手続きというと、

  • 銀行
  • 不動産
  • 年金
  • 保険
  • 名義変更

など、やることがたくさんあり、「何から手をつければいいのか分からない……」と不安になってしまう方も多いです。

ですが、最初の段階で本当に大切なのは、

  • 遺言書の有無を確認する
  • 相続人を確認する

まずは、この2つです。

ここが整理できると、その後の手続きの方向性が見えてきます。

相続人の確認と並行して大切になるのが「財産調査」です。通帳から分かるポイントについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
親が亡くなったら何から始める?通帳5年分でわかる財産調査のコツ

逆に、慌てて銀行へ行ったり、不動産の話を進めたりすると、後からやり直しになることもあります。

焦らず、一つずつ進めていきましょう。

「借金があるか分からない」「相続放棄した方がいいの?」と不安な方は、こちらの記事もご覧ください。相続放棄の期限や注意点について分かりやすく解説しています。
相続放棄でよくある失敗とは?知らないと後悔する注意点


まとめ|何より大切なのは、あなた自身の心と体です

今日のポイントをまとめると、まず確認したいのは次の3つです。

  • エンディングノートの確認
  • 遺言書の有無の確認
  • 戸籍を取得して相続人を確認すること

相続手続きは、慣れないことばかりです。

大切な方を亡くされた直後は、気持ちが追いつかず、書類を見るだけで苦しくなってしまう方もいらっしゃいます。

そんなときは、どうか一人で抱え込まないでくださいね。

平日に役所へ行く時間が取れない方や、
「何から始めればいいか分からない」
「戸籍の見方が分からない」
という方は、行政書士などの専門家へ相談する方法もあります。

相続手続きにおいて、何よりも大切なのは、

“あなた自身の心と体の平穏”

です。

辛いときは、どうか無理をなさらず、ゆっくり体を休めてくださいね。

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