相続した実家を放置するとどうなる?|空き家問題のリアルと今できる対策

こんにちは。
神奈川県秦野市の行政書士、安居院麻紀(あぐい)です。

親が亡くなり、相続した実家。

けれど、誰も住まないままになっている――
そんなご家庭は、実はとても多いのが現状です。

家の中には、ご両親が大切にしていた思い出の品々がそのまま残り、

「何から手をつければいいのかわからない」

そう感じて、気づけば時間だけが過ぎていく。

そして、結果として“放置”という状態になってしまうのです。


マンションは動きやすい。でも戸建は放置されやすい

実務をしていて感じるのは、マンションと戸建では相続後の動きがかなり違うということです。

マンションの場合は、

  • 管理費
  • 修繕積立金

が、住んでいなくても毎月発生します。

そのため、

  • 売る
  • 貸す
  • 自分たちが住む

など、比較的早く方向性を決める方が多い印象です。

一方、戸建住宅はそうではありません。

もちろん固定資産税の負担はあります。

ただ、古い住宅の場合はそこまで高額ではないことも多く、

「とりあえずそのまま」

になりやすいのです。


本当に悩まれるのは「家の中」

空き家問題というと、

  • 草が伸びる
  • 建物が傷む
  • 防犯面が不安

というイメージを持たれる方が多いと思います。

もちろんそれも大きな問題です。

ですが、実際にご家族が悩まれるのは、

「家の中をどうしたらいいのかわからない」

という部分だったりします。

家の中には、

  • 衣類
  • 写真
  • 仏壇
  • アルバム
  • 思い出の品

など、簡単には処分できないものがたくさん残っています。

「業者に頼むとお金がかかる」
「少しずつ自分たちで片づければいい」

そう考えるお気持ちも、とてもよくわかります。

ただ、実際には物の量が多く、

“少しずつやろう”

と思っていても、なかなか進まないケースが本当に多いのです。

結果として、何年もそのままになってしまうことも少なくありません。

「何がどこにあるのか分からない」という状態は、ご家族の大きな負担になります。
元気なうちから少しずつ整理を始めることも大切です。
エンディングノートは専門家に相談した方がいい?やさしく寄り添うサポートのかたち


空き家を放置すると起きる問題

空き家を長期間放置してしまうと、さまざまな問題が起こる可能性があります。

例えば、

  • 草木が伸びる
  • 虫が大量発生する
  • 木の枝が隣地へ越境する
  • 建物が傷む
  • 雨漏りが進行する
  • 不審者が侵入する
  • 火災リスクが高まる

などです。

実際にあったお話ですが、長い間空き家になっていた実家に、知らない間に人が住んでいたというケースもありました。

電気・ガス・水道を止めておらず、

「定期的に様子を見に行こう」

と思っていたものの、日々の生活に追われて足が遠のいてしまったそうです。

遠方にお住まいの場合は、特に管理が難しくなります。

気づいた時には大変な状態になっていた――
ということも珍しくありません。


「放置だけはしない」が大切です

現在は、相続登記の義務化により、

「名義変更をしなければならない」

という認識は広がってきました。

しかし、本当に大切なのはその先です。

その実家を、

  • 売却するのか
  • 自分たちが住むのか
  • 将来のために残すのか
  • 誰かに貸すのか

方向性によって、取るべき行動は大きく変わります。

“どう分けるか”によって、家族関係に影響が出ることもあります。

不動産相続の考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
相続不動産をどう分ける?家族の笑顔を守るための「3つの選択肢」と後悔しない選び方

もちろん、どうするかは相続人の皆さまのご判断です。
無理に進める必要はありません。

ただ一つ、お願いしたいことがあります。

それは、

「放置だけはしないこと」

です。


秦野市には空き家の補助金制度もあります

秦野市では、空き家の管理や活用を支援する補助制度があります。

例えば、

家財処分・庭木伐採への補助

  • 対象経費の3分の1
  • 最大12万円

リフォーム補助

  • 対象経費の3分の1
  • 最大50万円

などがあります。

ただし、

  • 空き家バンクへの登録
  • 工事前申請
  • 市内事業者利用

など条件がありますので、事前確認が必要です。

「もっと早く知っていれば…」

というお声も少なくありません。


空き家の譲渡には3,000万円控除が使える場合も

一定条件を満たすと、

「空き家の3,000万円特別控除」

が利用できる場合があります。

被相続人が住んでいた古い住宅を相続し、

  • 売却
  • 解体後に売却

などをした際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

ただし、

  • 建築時期
  • 耐震基準
  • 相続時期
  • 売却期限

など細かな条件があります。

最終的な判断は税務署となるため、税理士への確認も重要です。


まだ決めていなくても、まずは相談を

「まだ売るか決めていない」
「気持ちの整理がつかない」

そういう状態でも大丈夫です。

まずは、

  • 地元の不動産会社
  • 空き家バンク担当者(市役所)

などへ相談してみることをおすすめします。

近くに相談先を作っておくだけでも、安心感は大きく変わります。


ご相談について

当事務所では、行政書士業務だけでなく、不動産会社「ag企画」としてのご相談にも対応しております。

相続した空き家については、

  • 売却した方がいいのか
  • 貸すという選択肢はあるのか
  • このまま維持できるのか
  • 解体した方がいいのか

など、法律だけでは判断できない悩みも多くあります。

実際には、

「まだ気持ちの整理がついていない」
「すぐに売る決断はできない」

という方も少なくありません。

だからこそ、いきなり結論を急ぐのではなく、今の状況を整理しながら、一緒に方向性を考えていくことが大切だと感じています。

相続・空き家・不動産のことを、まとめて相談できる窓口として、お力になれればと思っております。

空き家だけでなく、ネット銀行や使っていない口座の整理も、相続では大切な準備の一つです。
相続で困る「見えない財産」と放置口座|ネット銀行・ネット証券・使っていない通帳に要注意

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