遺産分割協議書は必要ない場合もある?作らなくてもいいケースと注意点【銀行・不動産】
遺産分割協議書は、必ずしも必要とは限りません。
実際には「作らなくても手続きできるケース」も存在します。
皆さま、こんにちは。
神奈川県秦野市の行政書士、安居院です。
相続のご相談を受けていると、こんなお声をよく聞きます。
「遺産分割協議書を作らないと、何も手続きできないですよね?」
たしかに、そう思われている方はとても多いです。
そして、その思い込みが原因で、手続きが途中で止まってしまうケースも少なくありません。
■ 遺産分割協議書は必ず必要?
結論からお伝えすると、
遺産分割協議書は、必ずしも作らなければならないものではありません。
実際には、協議書がなくても手続きできるケースもあります。
■ 遺産分割協議書が必要ない主なケース
※ただし、「作らなくても手続きできる」場合であっても、将来のトラブル防止の観点からは、遺産分割協議書を作成しておくことが望ましいケースも多くあります。
・預貯金のみで金融機関の書式で手続きできる場合
・法定相続分どおりに分ける場合
・遺言書に基づいて分ける場合
・相続人が1人の場合
・家庭裁判所の調停・審判で決まっている場合
■ 銀行手続きは協議書なしでも可能な場合がある
多くの金融機関では、
・所定の「相続届出書」
・相続人全員の署名と実印での押印
・印鑑証明書などの必要書類
をそろえることで、手続きが可能です。
その結果、
・代表者1人がまとめて受け取る
・相続人ごとに分けて振り込む
といった対応もできます。
■ ただし、金融機関ごとに運用は異なります
ここはとても大切なポイントです。
実務上、金融機関によって必要書類や運用は異なります。
そのため、
金融機関から渡される書類をよく確認することが大切です。
■ 不動産は協議書なしでも登記できるが…
不動産についても、
遺産分割をせずに法定相続分で登記する場合は、
遺産分割協議書は不要です。
ただしこの場合、
相続人全員の共有名義になります。
共有名義は、
・売却時に全員の同意が必要
・将来の相続でさらに複雑化する
などのリスクがあるため、慎重な判断が必要です。
不動産の分け方については、
▶相続不動産をどう分ける?家族の笑顔を守るための3つの選択肢 も参考になります。
■ 相続税と遺産分割の関係
相続税の申告については、
遺産分割がまとまっていない場合でも、未分割のまま期限内に申告することは可能です。
ただし、
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
といった制度を利用するためには、
遺産分割の内容が確定していることが前提となります。
そして実務上は、その内容を明確にするために、
遺産分割協議書などの書面を作成することが一般的です。
■ 作らないという選択もあるが…
たとえば、
・預貯金のみで内容がシンプル
・相続人同士で十分に話し合いができている
このような場合には、
遺産分割協議書を作成しないケースもあります。
ただし、
「今できるか」だけでなく
「将来困らないか」という視点もとても大切です。
相続した不動産の売却を検討されている方は、
▶相続した空き家を売却するまでの流れ【5ステップ解説】もご覧ください。
■ まとめ
遺産分割協議書は、必ずしも必要なものではありません。
しかし、
・手続きをスムーズに進めるため
・将来のトラブルを防ぐため
作成しておくことに大きな意味があるのも事実です。
「作らないといけない」と思い込んで手が止まってしまうよりも、
まずは一歩進めてみることが大切です。
■ ご相談について
「うちの場合は作った方がいいの?」
「このまま手続きを進めても大丈夫?」
そんな疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。
状況に応じて、無理のない進め方をご提案いたします。
LINEからも受け付けております。
「ちょっと聞いてみたい」という内容でも大丈夫です。
