30年前の遺言、そのままで大丈夫?状況が変わったときに起こる相続トラブル
こんにちは。
秦野市の行政書士、安居院(あぐい)です。
今回は、実際にお聞きしたお話をもとに、
「遺言の見直しの大切さ」についてお伝えしたいと思います。
■ 30年前に書かれた遺言
ある方が、30年前に公正証書遺言を作成されていました。
当時、その方にはお子さんが二人いらっしゃり、
次男の方は離婚され、お子さん(お孫さん)は元奥様が引き取られていました。
離れて暮らすことになったお孫さんを想い、
「その子に多くの財産を遺したい」という気持ちから、
遺言書を作成されたそうです。
■ その後、家族の状況は大きく変化
それから30年――
・次男は再婚し、新たにお子さんが誕生
・長男にもお子さんがいる
・現在は身近にいるお孫さんたちと日常的に関わっている
一方で、当時かわいがっていたお孫さんとは、
長い間、交流がない状態になっているとのことでした。
■ それでも遺言はそのまま有効です
ここで重要なのは、
遺言は「書いた当時の内容のまま効力を持つ」という点です。
たとえ現在の状況や気持ちが変わっていたとしても、
遺言を書き直していなければ、
30年前の内容どおりに遺産が分けられることになります。
公正証書遺言であれば、形式的にも非常に強い効力を持つため、
基本的にはその内容に従って手続きが進みます。
■ 遺言と違う分け方はできるのか?
相続手続きを進めるうえで重要になる「相続人の確定」については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶「相続人の確定とは?戸籍収集でつまずくポイントをわかりやすく解説」
では、現在の家族関係に合わせて
遺言と違う分け方をすることはできるのでしょうか。
結論としては、
関係者全員が合意すれば可能です。
ただしここでいう「関係者」には、
遺言で財産を受け取る予定の方(受遺者)も含まれます。
遺言と異なる分け方をする場合に必要となる遺産分割協議については、こちらをご覧ください。
▶「遺産分割協議とは?進め方とトラブル回避のポイント」
つまり、
・相続人全員
・遺言で財産をもらう予定の人
この全員が合意しなければ、
遺言どおりに進めるしかないことになります。
■ 思わぬトラブルになる可能性も
今回のケースのように、
・現在は交流のないお孫さんに多くの財産が渡る
・近くで支えてきたご家族の想いとズレがある
このような状況では、
相続がきっかけで感情的な対立が生まれることも少なくありません。
また、遺言の存在を知らないまま手続きを進めてしまい、
後からトラブルになるケースもあります。
■ 遺言は「書いたら終わり」ではありません
遺言はとても大切なものですが、
一度作ったら安心、ではないのです。
家族関係や財産状況は、時間とともに必ず変化します。
だからこそ、
・家族構成が変わったとき
・気持ちに変化があったとき
・節目のタイミング
こうしたときには、
遺言の見直しを検討することがとても重要です。
■ まとめ
30年前の遺言も、今の想いも、どちらも大切なものです。
しかし、
そのままにしてしまうことで、
ご自身の本当の想いとは違う形で相続が行われてしまう可能性があります。
「今の気持ちを、きちんと残すこと」
それが、ご家族にとっての安心につながります。
当事務所では、遺言書の作成や見直しのご相談を承っております。
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「今の状況に合っているのか不安」
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